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IVSと日本公認会計士協会との繋がり


  •  資産や負債の評価は様々な局面で様々な目的で行われる。例えば、企業会計においても時価評価・公正価値評価を行う場合などは一例であるが、その他、様々な局面・目的で必要となる。
  • 日本では、不動産などの一部資産を除き、制度上の枠組みとして「評価」に関する規制や、手法や主体などのルールや制限が設けられているわけではない。そのため評価の際に必要となる品質が必ずしも明確になっているわけではないと考えられる。 
  • IFRS(国際財務報告基準)では公正価値評価が多くの局面で取り入れられている。日本企業でもIFRSを適用することは一定の条件で可能となっており、適用する日本企業数は増加している。
  •  日本の会計基準おいても時価評価の導入は進んでいる。例えば、2025311日、企業会計基準委員会(ASBJ)から改正移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」が公表され、出資者側の企業において、ベンチャーキャピタル(VC)ファンドの出資持分について時価評価を行うオプションが追加されている。
  • 欧州を中心にIFRSを適用する国や地域数も増加している。そうした中、グローバルで企業活動を行う企業が、国境を越えた取引や処理を行う場合、一貫した手法や手続きで行う評価ルールの策定が必要となる。
  • 国際評価基準(International Valuation StandardsIVS)はそうした発想で策定されているものである。IVSの特徴は、対象とする資産や負債が多岐にわたっていること、および評価を行う目的についても様々なものが前提とされている点であり、できるだけ広い局面で適用できるものとして考えられている。
  •  IVSC(国際評価基準審議会:International Valuation Standards CouncilIVSC)は、IVSの策定維持及び世界各国への評価専門家の能力開発に寄与するために、1981年に英国に本部を置くプライベートセクターの非営利組織として説明された団体である。
  •  IVSCには、230以上のメンバーおよびスポンサー組織が参加している。当該メンバーとしては、評価関連の専門機関、サービスプロバイダー、規制当局、各国政府、基準設定機関、学術機関、投資家、その他の評価の利用者などが含まれている。参加するメンバー組織数は年々増加している。
  • 日本公認会計士協会(JICPA)は、前IVSC評議委員であった山田辰巳氏を通じて参加依頼があり、公共団体会員(Institutional Member )として、201511月から参加している。
  •  他にも、日本からはVPOValuation Professional Organization)として日本不動産鑑定士協会連合会が参加している。ここで、VPOは何らかの評価業務を専門としておこなっている職業家の組織を意味しており、IVSの組織構成ではVPOがコアとなっている。
  •   JICPAからの、IVSCに対する人的な貢献として、前JICPA会長である関根氏がIVSCの評議委員に就任している。さらに、各専門資産の評価基準委員としても、BVBBusiness Valuation Board)(岩田氏)、FIBFinancial Instruments Board)(北野氏)が委員に就任している。TAB(Tangible Assets Board)には現在は日本からの委員はいない(以前は水谷氏(不動産鑑定士)が委員であった。
  • JICPAではIVSC対応専門委員会を設置し以下の対応を行っている。
    • IVS2025年版とIVS2018年版について、日本不動産鑑定士協会連合会と共同で翻訳作業を実施
    • アジェンダ協議、公開草案について、コメントレターを提出
    • 上記のように評議会や理事会への人的な貢献
    • 日本でも新たなVPOの可能性を議論するために20172月から開催されている円卓会議(ラウンドテーブル)への参加
  • JICPAではIVSとは直接の関連ではないが、企業価値評価に関して以下のような報告を作成・公表している。
    • 企業価値評価ガイドライン  経営研究調査会研究報告第32号  2007516日(改正)2013年7月3日
    • 事例に見る企業価値評価上の論点紛争の予防及び解決の見地から 経営研究調査会研究報告第412010722日 (改正)2013116
    • 種類株式の評価事例  経営研究調査会研究報告第53号 2013116
    • 東京証券取引所インフラファンド市場におけるインフラ資産等の評価業務  経営研究調査会研究報告第56号  2015817
    • 無形資産の評価実務―M&A会計における評価とPPA業務 経営研究調査会研究報告第57号  2016614
    • 機械設備の評価実務  経営研究調査会研究報告第66号 2019712
    • スタートアップ企業の価値評価実務 経営研究調査会研究報告第70号 2023年3月16